結晶形態の異なるエトリンガイトの合成と熱履歴前後の結晶構造評価

本研究では、結晶形態の異なる3つのエトリンガイトを合成し、合成時および加熱脱水後、再水和後における結晶構造の変化について検討した。また熱履歴前後のエトリンガイトのXRDピークを分析し、SEMにより結晶形態の観察を行った上で、FT-IRやTG-DTA、27Al-MAS NMRにより分子の結合状態を分析した。その結果、水和物の結晶形態は合成時の形態に関わらず、加熱脱水および再水和によって粒状に変化することが確認された。また、加熱脱水および再水和により分子の結合状態に変化が生じたが、結晶形態によってその変化に差異が生じることがわかった。以上より、エトリンガイトの結晶形態と結晶構造の変化のしやすさは密...

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Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 77; no. 1; pp. 257 - 264
Main Authors 斎藤, 豪, 佐伯, 竜彦, 北川, 遥喬, 久保田, 雅也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 29.03.2024
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ISSN0916-3182
2187-3313
DOI10.14250/cement.77.257

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Summary:本研究では、結晶形態の異なる3つのエトリンガイトを合成し、合成時および加熱脱水後、再水和後における結晶構造の変化について検討した。また熱履歴前後のエトリンガイトのXRDピークを分析し、SEMにより結晶形態の観察を行った上で、FT-IRやTG-DTA、27Al-MAS NMRにより分子の結合状態を分析した。その結果、水和物の結晶形態は合成時の形態に関わらず、加熱脱水および再水和によって粒状に変化することが確認された。また、加熱脱水および再水和により分子の結合状態に変化が生じたが、結晶形態によってその変化に差異が生じることがわかった。以上より、エトリンガイトの結晶形態と結晶構造の変化のしやすさは密接に関係するものと結論付けた。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.77.257