膵頭十二指腸切除術における術前immunonutritionの有効性と効果発現でのプロスタグランディンE2とT細胞分化の関与

【目的】前向き無作為試験において、高度侵襲手術における術前免疫栄養の術後合併症への影響と、作用機序におけるPGE2のT細胞分化への関与を検討した。【対象と方法】膵頭十二指腸切除術予定の患者50人を、術前免疫強化栄養剤を術前5日間摂取した免疫栄養群(n=25)と、普通食のみ摂取したコントロール群(n=25)に無作為に振り分け、感染性合併症発生率を主要エンドポイント、免疫反応を副次エンドポイントとした。【結果】感染性合併症発生率および合併症の重症度は免疫栄養群においてコントロール群より低かった。血清エイコサペンタエン酸、エイコサペンタエン酸/アラキドン酸比、T-betの末梢血単核球でのmRNAの発...

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Published in日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 32; no. 5; pp. 1481 - 1488
Main Authors 相田, 俊明, 古川, 勝規, 鈴木, 大亮, 吉富, 秀幸, 大塚, 将之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会 2017
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ISSN2189-0161
2189-017X
DOI10.11244/jspen.32.1481

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Summary:【目的】前向き無作為試験において、高度侵襲手術における術前免疫栄養の術後合併症への影響と、作用機序におけるPGE2のT細胞分化への関与を検討した。【対象と方法】膵頭十二指腸切除術予定の患者50人を、術前免疫強化栄養剤を術前5日間摂取した免疫栄養群(n=25)と、普通食のみ摂取したコントロール群(n=25)に無作為に振り分け、感染性合併症発生率を主要エンドポイント、免疫反応を副次エンドポイントとした。【結果】感染性合併症発生率および合併症の重症度は免疫栄養群においてコントロール群より低かった。血清エイコサペンタエン酸、エイコサペンタエン酸/アラキドン酸比、T-betの末梢血単核球でのmRNAの発現は免疫栄養群でコントロール群と比較して有意に高値であった。血漿PGE2は免疫栄養群で有意に低値であった。【結論】膵頭十二指腸切除術における術前免疫栄養は、PGE2の合成とT細胞分化に関与することで、術後合併症を軽減する可能性が示唆された。
ISSN:2189-0161
2189-017X
DOI:10.11244/jspen.32.1481