日本における翻訳実践の淵源をめぐる系譜学的考察
本稿では、まず翻訳概念の系譜学的、超越論的な観点から、現代文に特徴的な漢字仮名交じり文の淵源について、漢字仮名交用の創成過程、漢字訓読法とその批判としての国学の意義に論及し、次に翻訳がナショナリズムおよび国民語の創成の要件であることについて諸外国の事例とともに考察する。最後に、西田哲学の「無の場所」と時枝文法の「辞」の意義を確認し、日本の翻訳実践としての表記法と外来思想に対する日本的思想的態度との相関について考察する。...
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Published in | 教育学研究 Vol. 86; no. 2; pp. 176 - 187 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本教育学会
2019
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-3161 2187-5278 |
DOI | 10.11555/kyoiku.86.2_176 |
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Summary: | 本稿では、まず翻訳概念の系譜学的、超越論的な観点から、現代文に特徴的な漢字仮名交じり文の淵源について、漢字仮名交用の創成過程、漢字訓読法とその批判としての国学の意義に論及し、次に翻訳がナショナリズムおよび国民語の創成の要件であることについて諸外国の事例とともに考察する。最後に、西田哲学の「無の場所」と時枝文法の「辞」の意義を確認し、日本の翻訳実践としての表記法と外来思想に対する日本的思想的態度との相関について考察する。 |
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ISSN: | 0387-3161 2187-5278 |
DOI: | 10.11555/kyoiku.86.2_176 |