不飽和カラム試験によるトンネル掘削ずり処分場内のひ素溶出特性に関する研究

筆者らは,自然由来のひ素含有ずりの処分場設計において適正に周辺環境影響評価が可能な数値解析法の構築を目指している。これまでに岩手県のトンネル掘削ずり盛土内におけるひ素の溶出挙動を調査し,盛土内の透水特性や掘削ずりの溶出特性について考察してきた。また,本サイトの掘削ずりを用いてカラム試験を実施し,移流分散方程式の溶出速度を定式化して一定の精度で溶出量を再現した。今回は掘削ずり試料の粒径と散水量の異なる複数条件で不飽和カラム試験を実施し,ひ素溶出にかかわるパラメータを絞り込み,溶出モデルの改良を行なった。また,盛土内では時間経過とともに還元環境へと変化し,ひ素の溶出量が増加する可能性がある。そこで...

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Published in廃棄物資源循環学会論文誌 Vol. 35; pp. 61 - 72
Main Authors 森田, 修二, 清水, 祐也, 大河原, 正文, 鈴木, 奨士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 2024
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ISSN1883-5856
1883-5899
DOI10.3985/jjsmcwm.35.61

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Summary:筆者らは,自然由来のひ素含有ずりの処分場設計において適正に周辺環境影響評価が可能な数値解析法の構築を目指している。これまでに岩手県のトンネル掘削ずり盛土内におけるひ素の溶出挙動を調査し,盛土内の透水特性や掘削ずりの溶出特性について考察してきた。また,本サイトの掘削ずりを用いてカラム試験を実施し,移流分散方程式の溶出速度を定式化して一定の精度で溶出量を再現した。今回は掘削ずり試料の粒径と散水量の異なる複数条件で不飽和カラム試験を実施し,ひ素溶出にかかわるパラメータを絞り込み,溶出モデルの改良を行なった。また,盛土内では時間経過とともに還元環境へと変化し,ひ素の溶出量が増加する可能性がある。そこで,不飽和カラム試験のひ素溶出量が安定した段階で,散水する水に還元剤を添加することでカラム内を還元環境にすることで生じるひ素溶出量の変化を確認し,この変化の溶出モデルへの導入について検討した。
ISSN:1883-5856
1883-5899
DOI:10.3985/jjsmcwm.35.61