高齢者の肘頭骨折に対するロッキングプレート固定術の治療成績 -術後骨片転位例の検討

高齢者肘頭骨折に対してロッキングプレート固定は有用だが術後の近位骨片転位proximal cutout(PC)が生じることがある.治療成績を報告し,3例のPC症例を検討した.対象は65歳以上で6か月以上経過観察した13例,男性5例,女性8例,年齢74.8歳,経過観察期間10か月,Colton group1:1例,group2 stage b:2例,stage c:9例,stage d:1例であった.転位の1例を除いて骨癒合を得た.最終時ROMは伸展-14° ,屈曲134° ,JOA-JESスコア92点,MEPS 98点であった.PCは全例group2 stage c,いずれも術前CTを正確に評...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 27; no. 2; pp. 110 - 115
Main Authors 寺浦, 英俊, 斉藤, 公亮, 信貴, 政人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2020
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.27.2_110

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Summary:高齢者肘頭骨折に対してロッキングプレート固定は有用だが術後の近位骨片転位proximal cutout(PC)が生じることがある.治療成績を報告し,3例のPC症例を検討した.対象は65歳以上で6か月以上経過観察した13例,男性5例,女性8例,年齢74.8歳,経過観察期間10か月,Colton group1:1例,group2 stage b:2例,stage c:9例,stage d:1例であった.転位の1例を除いて骨癒合を得た.最終時ROMは伸展-14° ,屈曲134° ,JOA-JESスコア92点,MEPS 98点であった.PCは全例group2 stage c,いずれも術前CTを正確に評価出来ておらず手技的要因でPCが生じた.予防には術前CTの正確な評価,ロッキングスクリューを肘頭先端まで挿入すること,上腕三頭筋のプレートへの縫合などが重要である.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.27.2_110