可溶性インターロイキン2受容体(sIL-2R)測定試薬『ルミパルスプレストIL-2R』と『ナノピアIL-2R』の性能評価

可溶性インターロイキン2受容体(soluble interleukin 2 receptor; sIL-2R)は悪性リンパ腫の診断補助や治療効果の判定に有用とされている。本研究では,化学発光酵素免疫測定法(chemiluminescent enzyme immunoassay; CLEIA)を測定原理とした試薬(ルミパルスプレストIL-2R,富士レビオ株式会社)とラテックス免疫比濁法を測定原理とした試薬(ナノピアIL-2R,積水メディカル株式会社)の基礎的性能評価およびCLEIAを測定原理とした従来法である外部委託検査法(デタミナーCL IL-2R,日立化成ダイアグノスティックス・システムズ株...

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Published in医学検査 Vol. 69; no. 4; pp. 615 - 622
Main Authors 平松, 直樹, 大石, 祐, 島田, 俊夫, 白川, るみ, 久住, 裕俊, 村越, 大輝, 薗田, 明広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.10.2020
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.20-31

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Summary:可溶性インターロイキン2受容体(soluble interleukin 2 receptor; sIL-2R)は悪性リンパ腫の診断補助や治療効果の判定に有用とされている。本研究では,化学発光酵素免疫測定法(chemiluminescent enzyme immunoassay; CLEIA)を測定原理とした試薬(ルミパルスプレストIL-2R,富士レビオ株式会社)とラテックス免疫比濁法を測定原理とした試薬(ナノピアIL-2R,積水メディカル株式会社)の基礎的性能評価およびCLEIAを測定原理とした従来法である外部委託検査法(デタミナーCL IL-2R,日立化成ダイアグノスティックス・システムズ株式会社)との比較を行い,院内導入における妥当性について評価した。両試薬の基礎的性能は良好であり,日常検査法として十分な性能を有していた。しかし,ナノピアIL-2Rでは非特異反応を示す検体が存在するため,ラテックス免疫比濁法を使用する場合は非特異反応の発生を考慮した上で,回避方法を施して注意深く使用することが望まれる。sIL-2R測定試薬を日常検査法として導入することにより当日の結果報告が可能となることで,即座に治療法を選択することが可能となり臨床への貢献が期待される。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.20-31