高圧下で養生したセメントペーストの走査型プローブ顕微鏡による表面電位測定

セメントペースト表面のミクロな表面電位の分布を把握することを目的として走査型プローブ顕微鏡(SPM)による検討を実施した。SPMが適用可能な緻密な硬化体を得るため、セメントペーストを高圧下で養生し、養生中にスライドガラスに接していた面を測定対象とした。測定の結果、走査型電子顕微鏡で7,000倍に拡大しても表面に孔は見られず、またSPMにより得られた表面粗さは4nmであった。養生から2日後にSPMで測定した場合、表面電位は測定領域内でほぼ一様であった。一方で養生から1か月経過した場合、斑点状に表面電位の低い領域が見られた。経時により炭酸化が進行し、水和物に変化が生じたことに起因すると推察した。...

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Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 70; no. 1; pp. 349 - 354
Main Authors 酒井, 雄也, 岸, 利治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 2016
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ISSN0916-3182
2187-3313
DOI10.14250/cement.70.349

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Summary:セメントペースト表面のミクロな表面電位の分布を把握することを目的として走査型プローブ顕微鏡(SPM)による検討を実施した。SPMが適用可能な緻密な硬化体を得るため、セメントペーストを高圧下で養生し、養生中にスライドガラスに接していた面を測定対象とした。測定の結果、走査型電子顕微鏡で7,000倍に拡大しても表面に孔は見られず、またSPMにより得られた表面粗さは4nmであった。養生から2日後にSPMで測定した場合、表面電位は測定領域内でほぼ一様であった。一方で養生から1か月経過した場合、斑点状に表面電位の低い領域が見られた。経時により炭酸化が進行し、水和物に変化が生じたことに起因すると推察した。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.70.349