IX.肝臓リハビリテーションと再生医療の開発状況

肝硬変はウイルス,アルコール,肥満等の原因に伴う肝障害と引き続く線維化に伴って形成される.進行すると,循環動態の変化,全身性炎症・免疫系の変化,代謝・栄養障害などを背景に黄疸,浮腫,腹水,肝性脳症,サルコペニア発生を呈する非代償性肝硬変に至り,生活の質を著しく低下させる.生活の質の改善,予後改善には,サルコペニア改善を目的にした肝臓リハビリテーション普遍化が重要である.最初の項では,2023年に日本肝臓学会にて立ち上げられた肝臓リハビリテーション指針を概説する.さらに,抜本的な肝硬変に対する肝機能の改善には肝線維化改善・再生療法の開発が重要である現状を概説する....

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Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 113; no. 1; pp. 69 - 75
Main Authors 上村, 博輝, 土屋, 淳紀, 寺井, 崇二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.01.2024
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.113.69

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Summary:肝硬変はウイルス,アルコール,肥満等の原因に伴う肝障害と引き続く線維化に伴って形成される.進行すると,循環動態の変化,全身性炎症・免疫系の変化,代謝・栄養障害などを背景に黄疸,浮腫,腹水,肝性脳症,サルコペニア発生を呈する非代償性肝硬変に至り,生活の質を著しく低下させる.生活の質の改善,予後改善には,サルコペニア改善を目的にした肝臓リハビリテーション普遍化が重要である.最初の項では,2023年に日本肝臓学会にて立ち上げられた肝臓リハビリテーション指針を概説する.さらに,抜本的な肝硬変に対する肝機能の改善には肝線維化改善・再生療法の開発が重要である現状を概説する.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.113.69