小児橈骨頚部骨折術中操作により後骨間神経麻痺を生じた1例

小児橈骨頚部骨折の発生率は小児肘関節周囲骨折の 4.5-14 %と言われており決してまれな外傷ではない.小児橈骨頚部骨折は転位が大きければ観血的整復が必要であるが,橈骨頭を回り込むように後骨間神経 が走行しているため術中操作で損傷の危険性がある.今回われわれは小児橈骨頚部骨折術中操作により PIN 麻痺を生じた 1 例を経験したため,今後の再発予防の教訓として報告した.  橈骨頚部骨折に対し,Intrafocal pinning で整復を行う際にはリスター結節を 12 時として 4-8 時方向に転位している症例では整復操作の際に PIN 損傷を合併する危険性が高いため,より注意が必要である....

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 27; no. 2; pp. 271 - 274
Main Authors 山内, 大輔, 金山, 智之, 田尻, 和八
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2020
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.27.2_271

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Summary:小児橈骨頚部骨折の発生率は小児肘関節周囲骨折の 4.5-14 %と言われており決してまれな外傷ではない.小児橈骨頚部骨折は転位が大きければ観血的整復が必要であるが,橈骨頭を回り込むように後骨間神経 が走行しているため術中操作で損傷の危険性がある.今回われわれは小児橈骨頚部骨折術中操作により PIN 麻痺を生じた 1 例を経験したため,今後の再発予防の教訓として報告した.  橈骨頚部骨折に対し,Intrafocal pinning で整復を行う際にはリスター結節を 12 時として 4-8 時方向に転位している症例では整復操作の際に PIN 損傷を合併する危険性が高いため,より注意が必要である.  輪状靱帯よりやや近位外側からの刺入により,橈骨頚部骨折術中操作による PIN 麻痺の合併リスクを低下させることが可能である.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.27.2_271