AIA-CL1200を用いた可溶性インターロイキン2受容体(sIL-2R)測定試薬の検討について
可溶性インターロイキン2受容体(soluble interleukin-2 receptor; sIL-2R)は,非ホジキンリンパ腫や成人T細胞性白血病の診断補助や治療効果の判定に有用とされている。今回,東ソー株式会社より化学発光酵素免疫測定法を原理とし,15分間で測定可能な試薬が開発された。本研究では,全自動化学発光酵素免疫測定装置AIA®-CL1200を用いた本試薬の基礎的性能評価を行った。その結果,再現性,選択性,定量限界の評価は良好であり,希釈直線性においても44,131 U/mLまで原点を通る直線性が確認された。また,他法との相関性は良好であり,同じ測定原理のルミパルスとは乖離検体は...
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Published in | 医学検査 Vol. 72; no. 1; pp. 97 - 104 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
25.01.2023
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Subjects | |
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ISSN | 0915-8669 2188-5346 |
DOI | 10.14932/jamt.22-55 |
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Summary: | 可溶性インターロイキン2受容体(soluble interleukin-2 receptor; sIL-2R)は,非ホジキンリンパ腫や成人T細胞性白血病の診断補助や治療効果の判定に有用とされている。今回,東ソー株式会社より化学発光酵素免疫測定法を原理とし,15分間で測定可能な試薬が開発された。本研究では,全自動化学発光酵素免疫測定装置AIA®-CL1200を用いた本試薬の基礎的性能評価を行った。その結果,再現性,選択性,定量限界の評価は良好であり,希釈直線性においても44,131 U/mLまで原点を通る直線性が確認された。また,他法との相関性は良好であり,同じ測定原理のルミパルスとは乖離検体は生じなかったが,ラテックス免疫比濁法を原理とするナノピアとの比較において2例の乖離症例が出現し,いずれもナノピアの方が高値であった。解析の結果,症例1は,検体中のIgMが測定反応系に関与し,症例2は,検体中のHuman anti-mouse antibody(HAMA)による非特異反応の可能性が示唆された。本試薬の基礎的性能は良好であり,日常検査法として十分な性能を有していることから臨床への貢献が期待される。 |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.22-55 |