小学校における校内授業研究の研究主題と理科授業検討会の関連

本研究は,小学校で行われている授業研究での研究主題で述べられている主体を明らかにし,その主体と,参観者の授業の見取りや授業検討会の発話との関連を事例的に検討することを目的とする。その結果,調査1では,研究主題は学習者,もしくは教授を主体としていることが明らかになった。調査2では,1)学習者を主体とする研究主題による授業参観・授業検討会において,複合的な知識領域での発話が多いこと,2)学習者を主体とする研究主題による授業参観・授業検討会において,観察した学習者の様子,中でも学習者の様子を単体で語る発話が多いこと,3)定点観察をする参観者は,学習者を主体とする研究主題による授業参観・授業検討会によ...

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Published in理科教育学研究 Vol. 62; no. 1; pp. 261 - 273
Main Authors 大島, 崇行, 桐生, 徹, 佐藤, 吉史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本理科教育学会 30.07.2021
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ISSN1345-2614
2187-509X
DOI10.11639/sjst.20025

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Summary:本研究は,小学校で行われている授業研究での研究主題で述べられている主体を明らかにし,その主体と,参観者の授業の見取りや授業検討会の発話との関連を事例的に検討することを目的とする。その結果,調査1では,研究主題は学習者,もしくは教授を主体としていることが明らかになった。調査2では,1)学習者を主体とする研究主題による授業参観・授業検討会において,複合的な知識領域での発話が多いこと,2)学習者を主体とする研究主題による授業参観・授業検討会において,観察した学習者の様子,中でも学習者の様子を単体で語る発話が多いこと,3)定点観察をする参観者は,学習者を主体とする研究主題による授業参観・授業検討会によって,観察した学習者の様子を語ることが示された。以上から,授業研究の研究主題は学習者,もしくは教授を主体としていることが明らかになった。その内,学習者を主体とする研究主題の授業参観・授業検討会を行うことは,特定の学習者を観察した参観者による,学習者の姿の事実に基づいた検討につながることが示された。
ISSN:1345-2614
2187-509X
DOI:10.11639/sjst.20025