喉頭蓋神経内分泌腫瘍(非定型カルチノイド)の1例

症例は68歳男性で咽頭痛を主訴に上部消化管内視鏡で喉頭異常所見を認め来院した。喉頭蓋右側腫脹部位の生検で腺癌が疑われ喉頭蓋部分切除を行った。病理診断は神経内分泌腫瘍(非定型カルチノイド)であり切除側断端が陽性のため外切開での追加切除と喉頭挙上術を同時施行した。術後1年4か月現在,再発転移の所見はなく嚥下機能も良好に保たれている。喉頭非定型カルチノイドは粘膜下発生をするため診断までに時間を要す。手術が最も有効であるが,粘膜下進展を考慮した広範囲の切除が必要となり嚥下障害をきたしうる。本症例では経口手術で断端が陽性であったことから外切開による追加切除と嚥下機能改善手術を施行し,良好な結果を得られた...

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Published in頭頸部外科 Vol. 27; no. 3; pp. 253 - 259
Main Authors 富永, 健裕, 佐々木, 俊一, 松本, 伸晴, 阿部, 実恵子, 遠藤, 理奈子, 都築, 伸佳, 喜田, 有未来
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2018
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.27.253

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Summary:症例は68歳男性で咽頭痛を主訴に上部消化管内視鏡で喉頭異常所見を認め来院した。喉頭蓋右側腫脹部位の生検で腺癌が疑われ喉頭蓋部分切除を行った。病理診断は神経内分泌腫瘍(非定型カルチノイド)であり切除側断端が陽性のため外切開での追加切除と喉頭挙上術を同時施行した。術後1年4か月現在,再発転移の所見はなく嚥下機能も良好に保たれている。喉頭非定型カルチノイドは粘膜下発生をするため診断までに時間を要す。手術が最も有効であるが,粘膜下進展を考慮した広範囲の切除が必要となり嚥下障害をきたしうる。本症例では経口手術で断端が陽性であったことから外切開による追加切除と嚥下機能改善手術を施行し,良好な結果を得られた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.27.253