若手心臓血管外科医における国内留学の現状-私の留学体験記

本稿では若手心臓血管外科医における国内留学の実情について,筆者の留学体験とアンケート調査結果を踏まえて概説した.筆者は2023年4月より1年間福岡市立こども病院心臓血管外科に国内留学し,豊富な小児心臓外科手術の経験に加え,臨床研究・学会発表の機会を得た.この経験について家族での引越し・育児支援体制の構築など,生活面での工夫も含めて報告する.さらに全国のU-40幹事を対象としたアンケート調査を実施し,国内留学の動機・成果・課題を分析した.その結果,国内留学は多くの若手医師が肯定的に評価し,症例経験や知識習得,人脈形成に有用であると考えている一方で,情報不足や人事的制約,生活環境の変化が弊害となっ...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 54; no. 5; pp. 5-U1 - 5-U5
Main Authors 永瀬 崇, 野田 和樹, 北方 悠太, 辻本 貴紀, 藤内 康平, 本宮 久之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.09.2025
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.54.5-U1

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Summary:本稿では若手心臓血管外科医における国内留学の実情について,筆者の留学体験とアンケート調査結果を踏まえて概説した.筆者は2023年4月より1年間福岡市立こども病院心臓血管外科に国内留学し,豊富な小児心臓外科手術の経験に加え,臨床研究・学会発表の機会を得た.この経験について家族での引越し・育児支援体制の構築など,生活面での工夫も含めて報告する.さらに全国のU-40幹事を対象としたアンケート調査を実施し,国内留学の動機・成果・課題を分析した.その結果,国内留学は多くの若手医師が肯定的に評価し,症例経験や知識習得,人脈形成に有用であると考えている一方で,情報不足や人事的制約,生活環境の変化が弊害となっているという意見も認めた.今後は医局の理解,ならびに医局の垣根を越えた支援体制と情報共有の強化が,国内留学普及の鍵になると考えられる.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.54.5-U1