中学校理科における科学的探究可能な「問い」の生成プロセス

本研究では,中学生を対象とした理科授業において,個人が事象の観察から科学的探究可能な「問い」を生成するまでのプロセス内で明らかとなっていない思考の有無を検討し,それらが「問い」の生成プロセス内のどこに見られるのかを明らかにすることを目的とした。その結果,生徒にとって,「何かに気付いた→何か疑問に思った→『問い』を生成した」という「問い」の生成プロセスを辿りやすい一方で,原因性,規則性,相互関係性,類似性・差異性といった科学的探究可能性の要素は,生徒の「問い」の生成プロセス内の「問い」への推移において多く内包されることが明らかとなった。...

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Published in理科教育学研究 Vol. 61; no. 3; pp. 403 - 416
Main Authors 河原井, 俊丞, 宮本, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本理科教育学会 31.03.2021
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ISSN1345-2614
2187-509X
DOI10.11639/sjst.20029

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Summary:本研究では,中学生を対象とした理科授業において,個人が事象の観察から科学的探究可能な「問い」を生成するまでのプロセス内で明らかとなっていない思考の有無を検討し,それらが「問い」の生成プロセス内のどこに見られるのかを明らかにすることを目的とした。その結果,生徒にとって,「何かに気付いた→何か疑問に思った→『問い』を生成した」という「問い」の生成プロセスを辿りやすい一方で,原因性,規則性,相互関係性,類似性・差異性といった科学的探究可能性の要素は,生徒の「問い」の生成プロセス内の「問い」への推移において多く内包されることが明らかとなった。
ISSN:1345-2614
2187-509X
DOI:10.11639/sjst.20029