上腕骨外側上顆炎に関連した肘外側側副靱帯機能不全の3例
上腕骨外側上顆炎難治例で肘関節内反不安定性を認めた3例を経験したので報告する.3例中2例は,それぞれ17回のtriamcinolone acetonide注射,3回のbetamethasone注射を受けていた.MRI冠状断では3例全てで,短撓側手根伸筋(ECRB)腱起始部と撓側側副靱帯(RCL)の広範囲に信号変化を認め,内反ストレスで腕橈関節は開大し疼痛が誘発された.2例に対し手術を行ない術中に靱帯を確認した結果,靱帯修復は不可能と判断し靱帯再建術を行い良好な結果が得られた.再建には半腱様筋腱を用い,輪状靱帯に作成した2つのslitに移植腱を通し,外側上顆の骨トンネルにスパイク付きステ ープル...
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Published in | 日本肘関節学会雑誌 Vol. 27; no. 2; pp. 303 - 306 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本肘関節学会
2020
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Subjects | |
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ISSN | 1349-7324 2434-2262 |
DOI | 10.24810/jelbow.27.2_303 |
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Summary: | 上腕骨外側上顆炎難治例で肘関節内反不安定性を認めた3例を経験したので報告する.3例中2例は,それぞれ17回のtriamcinolone acetonide注射,3回のbetamethasone注射を受けていた.MRI冠状断では3例全てで,短撓側手根伸筋(ECRB)腱起始部と撓側側副靱帯(RCL)の広範囲に信号変化を認め,内反ストレスで腕橈関節は開大し疼痛が誘発された.2例に対し手術を行ない術中に靱帯を確認した結果,靱帯修復は不可能と判断し靱帯再建術を行い良好な結果が得られた.再建には半腱様筋腱を用い,輪状靱帯に作成した2つのslitに移植腱を通し,外側上顆の骨トンネルにスパイク付きステ ープルで移植腱を固定した.難治性上腕骨外側上顆炎において靱帯機能不全を伴う症例では,靱帯再建術も念頭におき術中に靱帯の状態を詳細に確認する必要がある. |
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ISSN: | 1349-7324 2434-2262 |
DOI: | 10.24810/jelbow.27.2_303 |