プロピオン酸カルシウムの後添加によるアルカリシリカ反応の膨張抑制効果に関する検討

アルカリシリカ反応の抑制対策として、アルカリ総量の抑制、混合セメントの使用、非反応骨材の使用が規定されているが、現在においても新たな構造物の劣化が報告されている。本研究では、コンクリート練混ぜ時の添加により膨張抑制効果が確認されているプロピオン酸カルシウムについて、膨張後に添加した場合の膨張抑制効果およびアルカリシリカゲルの組成に及ぼす影響について検討した。その結果、プロピオン酸カルシウムをアルカリシリカ反応による膨張後に添加した場合でも膨張抑制効果が確認され、その要因はプロピオン酸カルシウムにより供給されたCa2+がアルカリシリカゲルに取り込まれることで変質し、吸水膨張性が低下するためと推察...

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Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 78; no. 1; pp. 272 - 278
Main Authors 原, 百花, 新見, 龍男, 岩本, 泰徳, 岩月, 栄治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 31.03.2025
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ISSN0916-3182
2187-3313
DOI10.14250/cement.78.272

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Summary:アルカリシリカ反応の抑制対策として、アルカリ総量の抑制、混合セメントの使用、非反応骨材の使用が規定されているが、現在においても新たな構造物の劣化が報告されている。本研究では、コンクリート練混ぜ時の添加により膨張抑制効果が確認されているプロピオン酸カルシウムについて、膨張後に添加した場合の膨張抑制効果およびアルカリシリカゲルの組成に及ぼす影響について検討した。その結果、プロピオン酸カルシウムをアルカリシリカ反応による膨張後に添加した場合でも膨張抑制効果が確認され、その要因はプロピオン酸カルシウムにより供給されたCa2+がアルカリシリカゲルに取り込まれることで変質し、吸水膨張性が低下するためと推察された。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.78.272