小児橈骨頸部骨折の手術治療成績

「はじめに」橈骨頚部骨折の治療法は, 主に骨頭傾斜角と側方転位の程度により決定される. 我々は回旋制限のある骨頭傾斜角25°以上の徒手整復不能例に対して, 経皮的整復術と観血的整復術を行ったので, その治療成績について報告する. 対象と方法 症例は3例(男1例, 女2例), 受傷側は右2例, 左1例, 受傷時年令は7才から15才(平均11才), 受傷原因は2例が高所よりの転落, 1例がスポーツ外傷であった. 1例に肘頭剥離骨折の合併損傷を認めた. 経過観察期間は2ヵ月から8ヵ月であった(表1). Judetの分類に従うと傾斜角30°以内, 側方転位が1/2以内のtype II, 傾斜角30°-...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 2; pp. 241 - 244
Main Authors 岩永, 貴行, 桜木, 孝二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2003
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.52.241

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Summary:「はじめに」橈骨頚部骨折の治療法は, 主に骨頭傾斜角と側方転位の程度により決定される. 我々は回旋制限のある骨頭傾斜角25°以上の徒手整復不能例に対して, 経皮的整復術と観血的整復術を行ったので, その治療成績について報告する. 対象と方法 症例は3例(男1例, 女2例), 受傷側は右2例, 左1例, 受傷時年令は7才から15才(平均11才), 受傷原因は2例が高所よりの転落, 1例がスポーツ外傷であった. 1例に肘頭剥離骨折の合併損傷を認めた. 経過観察期間は2ヵ月から8ヵ月であった(表1). Judetの分類に従うと傾斜角30°以内, 側方転位が1/2以内のtype II, 傾斜角30°-60°, 側方転位が頚部横径の1/2を越えるtype III, 傾斜角60°以上, 完全転位のtype IVがそれぞれ1例であった. 転位の方向は2例が外側, 1例が後方であった. 受傷後2日以内に伝達麻酔または全身麻酔下に経皮的整復を行い, 整復不能の場合は続けて観血的整復術を行った. 内固定は行わず, 術前の運動制限のある回旋位にギプス固定を行った(表2). 代表症例を供覧する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.52.241