地方における理想の心不全管理を目指して 心不全療養指導士制度への期待
これまで過去数十年をかけ, 当科同門医師の懸命の努力によって, 県下に遍くプライマリーPCIセンターが構築され, 急性心筋梗塞への早期再灌流療法の普及がなされた. 各医療圏での地域完結型の早期再灌流療法体制が維持されることで, 本県は全国有数の心筋梗塞死亡率低率県となった. また一方, 慢性の循環器疾患に対する低侵襲治療に関しても, 頻脈性不整脈へのカテーテルアブレーションや構造的心疾患に対するカテーテルインターベンションなど, 基幹病院が広く県民に世界標準の医療を提供してきた. これらの高度先進医療の担い手となる若手循環器内科医の育成は我々の大きな責務の一つであるが, 反面, 日々病棟廻診の...
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Published in | 心臓 Vol. 52; no. 10; pp. 1069 - 1070 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.10.2020
日本心臓財団・日本循環器学会 |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.52.1069 |
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Summary: | これまで過去数十年をかけ, 当科同門医師の懸命の努力によって, 県下に遍くプライマリーPCIセンターが構築され, 急性心筋梗塞への早期再灌流療法の普及がなされた. 各医療圏での地域完結型の早期再灌流療法体制が維持されることで, 本県は全国有数の心筋梗塞死亡率低率県となった. また一方, 慢性の循環器疾患に対する低侵襲治療に関しても, 頻脈性不整脈へのカテーテルアブレーションや構造的心疾患に対するカテーテルインターベンションなど, 基幹病院が広く県民に世界標準の医療を提供してきた. これらの高度先進医療の担い手となる若手循環器内科医の育成は我々の大きな責務の一つであるが, 反面, 日々病棟廻診の現場で感じるのは, 「日進月歩進化する高度先進医療によって予後が改善した一方, その終末像としての難治性心不全管理は同じように最適化されたか」というジレンマである. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.52.1069 |