鼓室形成術 基本を中心として,再発症例まで
真珠腫性中耳炎に対して,私たちが行っている耳後部切開による外耳道再建型手術(顕微鏡下)の初回例と,再発術式としてopen mastoidの術後耳例について,特徴的な操作を中心に説明する。同術式は術中真珠腫を明視下において摘出可能とし,軟骨により外耳道を再建するため上皮化後の処置の必要がないという利点がある。上鼓室再建時には,再陥凹を防ぐために軟骨は鼓膜と同じ高さ・角度に置き,前端に凹みを作り軟骨を二重に置くようにする。再発症例の際には,中鼓室操作に入る際に先に耳管を同定する。ついでサジ状突起を確認し,ダメージを与えてはならない顔面神経やアブミ骨を確実に操作できるようにする。術前から術後まで常に...
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Published in | 頭頸部外科 Vol. 28; no. 1; pp. 1 - 3 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2018
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Subjects | |
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ISSN | 1349-581X 1884-474X |
DOI | 10.5106/jjshns.28.1 |
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Summary: | 真珠腫性中耳炎に対して,私たちが行っている耳後部切開による外耳道再建型手術(顕微鏡下)の初回例と,再発術式としてopen mastoidの術後耳例について,特徴的な操作を中心に説明する。同術式は術中真珠腫を明視下において摘出可能とし,軟骨により外耳道を再建するため上皮化後の処置の必要がないという利点がある。上鼓室再建時には,再陥凹を防ぐために軟骨は鼓膜と同じ高さ・角度に置き,前端に凹みを作り軟骨を二重に置くようにする。再発症例の際には,中鼓室操作に入る際に先に耳管を同定する。ついでサジ状突起を確認し,ダメージを与えてはならない顔面神経やアブミ骨を確実に操作できるようにする。術前から術後まで常に耳管機能を意識した手術を心がける。 |
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ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
DOI: | 10.5106/jjshns.28.1 |