失語のある人の参加, 環境因子, 健康関連QOL についての検討 CIQ, CHIEF, SAQOL-39 の日本語版による分析

失語のある人の参加, 環境因子, 健康関連 QOL を検討した。脳損傷による失語のある人 (失語群) 66 名, 脳損傷の既往のない人 (一般人口群) 51 名に, 参加の尺度 Community Integration Questionnaire (CIQ) 日本語版, 阻害因子の尺度 Craig Hospital Inventory of Environmental Factors (CHIEF) 日本語版 Ver.2 を実施したほか, 失語群からは健康関連 QOL の尺度 Stroke and Aphasia Quality of Life Scale-39 (SAQOL-39) 日本語...

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Published in高次脳機能研究 (旧 失語症研究) Vol. 35; no. 4; pp. 344 - 355
Main Authors 大畑, 秀央, 吉野, 眞理子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本高次脳機能学会 30.09.2015
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ISSN1348-4818
1880-6554
DOI10.2496/hbfr.35.344

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Summary:失語のある人の参加, 環境因子, 健康関連 QOL を検討した。脳損傷による失語のある人 (失語群) 66 名, 脳損傷の既往のない人 (一般人口群) 51 名に, 参加の尺度 Community Integration Questionnaire (CIQ) 日本語版, 阻害因子の尺度 Craig Hospital Inventory of Environmental Factors (CHIEF) 日本語版 Ver.2 を実施したほか, 失語群からは健康関連 QOL の尺度 Stroke and Aphasia Quality of Life Scale-39 (SAQOL-39) 日本語版および他の関連尺度の情報を得た。CIQ では失語群の参加は一般人口群より有意に低かった。 CHIEF では失語群は一般人口群よりも阻害因子が有意に高かった。失語群では CIQ とCHIEF の総合得点に有意な正の相関を認め, 参加が高い人ほど感じている阻害因子が高かった。ロジスティック回帰分析, 相関分析の結果から, 失語のある人の参加には身体的自立度が, 阻害因子には参加状況が, 健康関連 QOL には言語機能が主に関与していると考えられた。
ISSN:1348-4818
1880-6554
DOI:10.2496/hbfr.35.344