Hemofiltrationにおけるアルカリ化剤の検討 L-乳酸ナトリウムについて

現在, 使用されている乳酸は, L-乳酸ナトリウムとD-乳酸ナトリウムの混合体で, D-乳酸は, 生体にとって非生理的な光学異性体であり, 代謝速度は遅く, 代謝経路も特殊で, その有効性や安全性が疑問視されている。そこでHemofiltrationの補充液において, L-乳酸ナトリウム配合のHF-ソリタ(L-群)とD. L-乳酸ナトリウム配合のHF-ソリタ(D. L-群)を使用し, 血中, 濾液中の乳酸濃度および, 酸塩基平衡の是正効果, 乳酸補充量, 乳酸利用率を比較検討した。 酸塩基平衡に関しては, 両群ともアシドーシス是正対果の相異点はなかった。ただし, L-群の方が優れた傾向を示して...

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Published inJinko Zoki Vol. 13; no. 2; pp. 701 - 704
Main Authors 橋本, 崇, 中瀬, 秀二, 阿波根, 昌和, 光野, 貫一, 近江, 武, 木原, 健, 原, 陽子, 長谷部, 均, 西堀, 文男, 佐伯, 英二, 荒, 隆一, 中村, 敏雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1984
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
Subjects
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.13.701

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Summary:現在, 使用されている乳酸は, L-乳酸ナトリウムとD-乳酸ナトリウムの混合体で, D-乳酸は, 生体にとって非生理的な光学異性体であり, 代謝速度は遅く, 代謝経路も特殊で, その有効性や安全性が疑問視されている。そこでHemofiltrationの補充液において, L-乳酸ナトリウム配合のHF-ソリタ(L-群)とD. L-乳酸ナトリウム配合のHF-ソリタ(D. L-群)を使用し, 血中, 濾液中の乳酸濃度および, 酸塩基平衡の是正効果, 乳酸補充量, 乳酸利用率を比較検討した。 酸塩基平衡に関しては, 両群ともアシドーシス是正対果の相異点はなかった。ただし, L-群の方が優れた傾向を示していた。血中ならびに液中の総乳酸濃度は, いずれもD. L-群がL-群に比べて高値を示した。またL-群は, 体内で利用された乳酸量(乳酸補充量)が多く, 利用率が優れており, 短時間に大量負荷する補充剤としては, より生理的なアルカリ化剤であると考えられる。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.13.701