破裂性腹部大動脈瘤に対するEVARの成績 患者受け入れ体制やCT施行を含めて

破裂性腹部大動脈瘤(以下,rAAA)に対する緊急ステントグラフト内挿術(以下,rEVAR)は,従来法(open surgical repair:以下,OR)と比較して良好な早期成績であるとの報告は多いが,大規模ランダム化比較試験では両者の早期死亡率に差がない結果であった。しかし,われわれは標準化アプローチやチームワークの徹底などの工夫でrEVARの治療成績が改善できると考えており,2010年からプロトコールを導入している。2010年1月から2014年12月の間に行ったrAAA手術74例中,ORを行った5例を除くrEVAR 69例の早期成績を検討したところ,術後30日死亡は17例(24.5%)で...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 35; no. 5; pp. 565 - 570
Main Authors 池谷, 佑樹, 荻野, 秀光, 河内, 順, 三宅, 克典, 下山, ライ, 磯貝, 尚子, 渡部, 和巨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.07.2015
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.35.565

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Summary:破裂性腹部大動脈瘤(以下,rAAA)に対する緊急ステントグラフト内挿術(以下,rEVAR)は,従来法(open surgical repair:以下,OR)と比較して良好な早期成績であるとの報告は多いが,大規模ランダム化比較試験では両者の早期死亡率に差がない結果であった。しかし,われわれは標準化アプローチやチームワークの徹底などの工夫でrEVARの治療成績が改善できると考えており,2010年からプロトコールを導入している。2010年1月から2014年12月の間に行ったrAAA手術74例中,ORを行った5例を除くrEVAR 69例の早期成績を検討したところ,術後30日死亡は17例(24.5%)で,プロトコール導入以前に行ったOR 30例の術後30日死亡13例(43.3%)より有意に改善した。当院のrAAAに対するrEVARのプロトコールを提示して,その治療結果を検討することによりプロトコールの有効性とrEVARの潜在的効果を考察する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.35.565