低侵襲心臓外科手術(MICS)の麻酔管理

低侵襲心臓外科手術は小切開で行う心臓手術の総称である.胸骨正中切開法による標準的な術式に比べて手術侵襲は少ないものの,人工心肺の確立や良好な術野を確保するために,麻酔管理にも工夫が必要である.一般的な心臓手術における配慮に加えて,一側肺換気,人工心肺の脱血および送血路,経食道心エコー,局所酸素飽和度の監視,術後鎮痛が重要である.特に,心臓の状態を直視下に観察できないため,経食道心エコーを最大限に活用する必要がある.低侵襲心臓外科手術に期待される予後の改善を実現するためには,手術にかかわるスタッフ間のコミュニケーションが特に重要である....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 36; no. 7; pp. 703 - 707
Main Authors 原, 哲也, 一ノ宮, 大雅, 田村, 亜輝子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2016
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.36.703

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Summary:低侵襲心臓外科手術は小切開で行う心臓手術の総称である.胸骨正中切開法による標準的な術式に比べて手術侵襲は少ないものの,人工心肺の確立や良好な術野を確保するために,麻酔管理にも工夫が必要である.一般的な心臓手術における配慮に加えて,一側肺換気,人工心肺の脱血および送血路,経食道心エコー,局所酸素飽和度の監視,術後鎮痛が重要である.特に,心臓の状態を直視下に観察できないため,経食道心エコーを最大限に活用する必要がある.低侵襲心臓外科手術に期待される予後の改善を実現するためには,手術にかかわるスタッフ間のコミュニケーションが特に重要である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.36.703