集団フィンガーペインティングの体験に基づいた子どもの心情の間主観的理解と保育者の専門性に対する意識の生成過程

本論の目的は,集団フィンガーペインティングの体験が,保育者の自己理解及び子ども理解の深化と,保育者の専門性の向上に与える影響を明らかにすることである。大学3年時に集団フィンガーペインティングを体験した現保育者12名を対象とし,同様のワークを実施した後の面接データを基に,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。分析の結果,学生時代には出現しなかった,子どもの心情の理解に対する意識が表出し,そこから保育者としての自分を振り返って専門性について言及する思考の流れが確認された。また,集団フィンガーペインティングが有する独自性が,保育者の子ども性を喚起させ,子どもの心情の間主観的理解...

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Published in保育学研究 Vol. 55; no. 2; pp. 85 - 96
Main Authors 髙橋, 敏之, 林, 牧子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本保育学会 2017
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ISSN1340-9808
2424-1679
DOI10.20617/reccej.55.2_85

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Summary:本論の目的は,集団フィンガーペインティングの体験が,保育者の自己理解及び子ども理解の深化と,保育者の専門性の向上に与える影響を明らかにすることである。大学3年時に集団フィンガーペインティングを体験した現保育者12名を対象とし,同様のワークを実施した後の面接データを基に,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。分析の結果,学生時代には出現しなかった,子どもの心情の理解に対する意識が表出し,そこから保育者としての自分を振り返って専門性について言及する思考の流れが確認された。また,集団フィンガーペインティングが有する独自性が,保育者の子ども性を喚起させ,子どもの心情の間主観的理解を促し,保育者の専門性を意識させることが明らかになった。
ISSN:1340-9808
2424-1679
DOI:10.20617/reccej.55.2_85