抗サイログロブリン抗体に干渉されない血清サイログロブリ測定キット(ルミパルスプレスト® iTACT®Tg)を用いた血清サイログロブリン値への抗体の影響の検討

背景:血清サイログロブリン(Tg)は甲状腺疾患において利用されている。しかし抗Tg抗体存在下では干渉されることがある。抗体の影響を受けないTgの新測定法(ルミパルス iNTACT Tg)を使用して旧測定方法と比較検討した。患者と方法:甲状腺疾患術後で最低3回ずつ血清Tgの旧,新測定が可能であった抗Tg抗体陽性例76例と陰性例178例。結果:抗Tg抗体陽性例での旧測定での血清Tg平均値は5.43±1.2ng/mL,新測定では6.48±1.4ng/mLであり,有意に新測定法で血清Tg平均値は高値を示した(p<0.0005)。抗Tg抗体陰性例では旧測定での血清Tg平均値は4.88±1.4ng/...

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Published in日本内分泌外科学会雑誌 Vol. 42; no. 1; pp. 44 - 49
Main Authors 小池, 良和, 岩本, 高行, 平, 成人, 緒方, 良平, 常, 梓, 三上, 剛司, 野村, 長久, 田中, 克浩, 福間, 佑菜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内分泌外科学会 2025
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ISSN2434-6535
2758-8785
DOI10.11226/ojjaes.42.1_44

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Summary:背景:血清サイログロブリン(Tg)は甲状腺疾患において利用されている。しかし抗Tg抗体存在下では干渉されることがある。抗体の影響を受けないTgの新測定法(ルミパルス iNTACT Tg)を使用して旧測定方法と比較検討した。患者と方法:甲状腺疾患術後で最低3回ずつ血清Tgの旧,新測定が可能であった抗Tg抗体陽性例76例と陰性例178例。結果:抗Tg抗体陽性例での旧測定での血清Tg平均値は5.43±1.2ng/mL,新測定では6.48±1.4ng/mLであり,有意に新測定法で血清Tg平均値は高値を示した(p<0.0005)。抗Tg抗体陰性例では旧測定での血清Tg平均値は4.88±1.4ng/mL,新測定では4.66±1.2ng/mLであり,有意差を認めなかった。抗Tg抗体陽性,陰性例でそれぞれ測定平均値が増加した症例は60例(78.9%),95例(53.4%)であり低下した症例数は16例(21.1%)と83例(46.6%)であり有意に抗Tg抗体陽性例で増加例が多かった(p<0.0005)。結論:抗Tg抗体はTg測定において有意に干渉していた。程度は強くないが,干渉が問題になる症例が存在することは明らかであった。
ISSN:2434-6535
2758-8785
DOI:10.11226/ojjaes.42.1_44