自己記入式食物摂取頻度調査票(FFQW82)を用いた胃癌術後摂取エネルギー量の評価

【目的】術後およそ30日目と90日目に実施している外来栄養指導を活用し、胃癌術後の摂取エネルギー量と食事内容を経時的に調査・検討した。【対象及び方法】当院で胃癌の手術を受け、術後30日目と90日目の栄養指導に参加した42名を対象とした。摂取エネルギー量と食事内容は自己記入式の食物摂取頻度調査票から推定した。【結果】推定摂取エネルギー量の減少ピークは術後90日以内にみられ、術後90日頃には増加するものの術前の摂取量までは回復しなかった。食事内容は、食品群別では肉類・油脂類の摂取が大きく減少し、三大栄養素では炭水化物の減少割合が最も大きく、食事内容に偏りがみられた。【結論】こうした変化は無意識に特...

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Published in日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 30; no. 2; pp. 689 - 695
Main Authors 林, 勉, 長, 晴彦, 山内, 実代, 廣瀬, 望美, 小池, 美保, 村松, 美穂, 中田, 恵津子, 吉川, 貴己, 山崎, 道代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会 2015
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ISSN2189-0161
2189-017X
DOI10.11244/jspen.30.689

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Summary:【目的】術後およそ30日目と90日目に実施している外来栄養指導を活用し、胃癌術後の摂取エネルギー量と食事内容を経時的に調査・検討した。【対象及び方法】当院で胃癌の手術を受け、術後30日目と90日目の栄養指導に参加した42名を対象とした。摂取エネルギー量と食事内容は自己記入式の食物摂取頻度調査票から推定した。【結果】推定摂取エネルギー量の減少ピークは術後90日以内にみられ、術後90日頃には増加するものの術前の摂取量までは回復しなかった。食事内容は、食品群別では肉類・油脂類の摂取が大きく減少し、三大栄養素では炭水化物の減少割合が最も大きく、食事内容に偏りがみられた。【結論】こうした変化は無意識に特定の食品を避けたことに起因することもあり、退院後も食事内容の偏りを補正するため、早期に栄養指導を実施する必要がある。また、術後90日では食事摂取は安定したとはいえず、長期栄養管理の必要性が示唆された。
ISSN:2189-0161
2189-017X
DOI:10.11244/jspen.30.689