愛媛県の飼養豚及び野生イノシシにおける市販Enzyme-Linked Immunosorbent Assay(ELISA)キットを用いたA型インフルエンザウイルス抗体保有状況調査

本研究では,愛媛県の飼養豚及び県内で捕獲された野生イノシシにおけるA型インフルエンザウイルス(IAV)抗体保有状況を調査した.試験には,2022年に豚を検査対象とした動物用体外診断用医薬品として承認を受けた市販のEnzyme-Linked Immunosorbent Assay(ELISA)キットを使用した.飼養豚におけるIAV抗体農場陽性率は,繁殖豚66.7%,肥育豚38.9%,個体陽性率は,繁殖豚28.3%,肥育豚13.9%であったことから,IAVが愛媛県の養豚農場に広く浸潤していることが示唆された.また,野生イノシシにおけるIAV抗体陽性率は1.6%であったことから,愛媛県において野生イ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本獣医師会雑誌 Vol. 78; no. 8; pp. e105 - e109
Main Author 吉澤 頌樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.78.e105

Cover

More Information
Summary:本研究では,愛媛県の飼養豚及び県内で捕獲された野生イノシシにおけるA型インフルエンザウイルス(IAV)抗体保有状況を調査した.試験には,2022年に豚を検査対象とした動物用体外診断用医薬品として承認を受けた市販のEnzyme-Linked Immunosorbent Assay(ELISA)キットを使用した.飼養豚におけるIAV抗体農場陽性率は,繁殖豚66.7%,肥育豚38.9%,個体陽性率は,繁殖豚28.3%,肥育豚13.9%であったことから,IAVが愛媛県の養豚農場に広く浸潤していることが示唆された.また,野生イノシシにおけるIAV抗体陽性率は1.6%であったことから,愛媛県において野生イノシシがIAVの感染環に関与している可能性は低いと考えられた.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.78.e105