高度側弯を伴う高度漏斗胸に対する胸骨挙上術の一例

Marfan症候群の10歳男児。高度側弯を伴う高度漏斗胸に対して胸骨挙上術を施行した。Nuss法を試みたが,挙上抵抗が極めて強く鈍鈎による胸骨下端部の挙上が不能であったため,Ravitch変法に術中変更を要した。術後早期に,粗大な側弯進行は見られなかった。今後,整形外科で側弯手術が計画されている。Nuss法は本例のような胸骨の勾配率の高い症例では挙上困難となるため適応とならないことも多い。術後早期の側弯進行の予防の観点からも,椎体に胸郭を介した矯正ストレスのかからないRavitch変法がよい適応であると考えられる。...

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Published in聖マリアンナ医科大学雑誌 Vol. 53; no. 1; pp. 15 - 22
Main Authors 望月 靖史, 小山 明彦, 松本 洋, 西田 翔平, 渡部 将伍
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会 2025
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ISSN0387-2289
2189-0285
DOI10.14963/stmari.53.15

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Summary:Marfan症候群の10歳男児。高度側弯を伴う高度漏斗胸に対して胸骨挙上術を施行した。Nuss法を試みたが,挙上抵抗が極めて強く鈍鈎による胸骨下端部の挙上が不能であったため,Ravitch変法に術中変更を要した。術後早期に,粗大な側弯進行は見られなかった。今後,整形外科で側弯手術が計画されている。Nuss法は本例のような胸骨の勾配率の高い症例では挙上困難となるため適応とならないことも多い。術後早期の側弯進行の予防の観点からも,椎体に胸郭を介した矯正ストレスのかからないRavitch変法がよい適応であると考えられる。
ISSN:0387-2289
2189-0285
DOI:10.14963/stmari.53.15