上腕骨外側顆骨折を伴った小児肘関節脱臼の治療経験
上腕骨外側顆骨折を伴う小児肘関節脱臼はまれな外傷であるが,当科では2015年以降5例(6~11歳,全例男児)経験した.単純X線像では上腕骨小頭核は全例橈骨長軸上にあったが,4例は回転転位があった.回転転位が明らかでない1例は,上腕骨滑車核が未出現であり,上腕骨遠位骨端離解と鑑別できなかった.しかし,全例肘関節屈曲時にばね様抵抗があり,徒手整復で明らかな脱臼整復感とともにばね様抵抗が消失したことから鑑別できた.関節造影では全例外側顆骨片が確認された.全例前外側侵入で関節面を直視下に整復して内固定した.最終調査時の肘関節平均自動可動域は,屈曲134° ,伸展11° であり,全例骨癒合が得られ,fi...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本肘関節学会雑誌 Vol. 27; no. 2; pp. 23 - 26 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本肘関節学会
    
        2020
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1349-7324 2434-2262  | 
| DOI | 10.24810/jelbow.27.2_23 | 
Cover
| Summary: | 上腕骨外側顆骨折を伴う小児肘関節脱臼はまれな外傷であるが,当科では2015年以降5例(6~11歳,全例男児)経験した.単純X線像では上腕骨小頭核は全例橈骨長軸上にあったが,4例は回転転位があった.回転転位が明らかでない1例は,上腕骨滑車核が未出現であり,上腕骨遠位骨端離解と鑑別できなかった.しかし,全例肘関節屈曲時にばね様抵抗があり,徒手整復で明らかな脱臼整復感とともにばね様抵抗が消失したことから鑑別できた.関節造影では全例外側顆骨片が確認された.全例前外側侵入で関節面を直視下に整復して内固定した.最終調査時の肘関節平均自動可動域は,屈曲134° ,伸展11° であり,全例骨癒合が得られ,fishtail変形はなかったが,外側骨隆起があった.上腕骨外側顆骨折を伴う肘関節脱臼は,上腕骨滑車核出現前は単純 X 線像では上腕骨遠位骨端離解との鑑別困難なことがあるが,理学所見が鑑別に有用であった. | 
|---|---|
| ISSN: | 1349-7324 2434-2262  | 
| DOI: | 10.24810/jelbow.27.2_23 |