カザフスタン共和国の耕作放棄地における種組成と生産力

カザフスタンの耕作放棄地において種組成と生産性について検証した.また各調査地点の種組成を比較して,遷移パターンにおけるコミュニティーアセンブリルールについて議論した.調査地はカザフスタンの北部および西部ステップの6地点を選択した.除歪対応分析(DCA)第1軸のスコアが低い場合の種組成は,局所的な安定状態を反映していると考えられた.一方,DCA第2軸に沿った種組成の違いは,種プールの地域特性を反映していると考えられた.耕作放棄地の初期条件を管理することは,ステップの回復にとって重要であると結論づけた.カザフスタンのステップで耕作放棄地の管理を成功させるには,二次遷移の初期段階を注意深く監視する必...

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Published in植生学会誌 Vol. 39; no. 1; pp. 59 - 64
Main Authors 宇田川, 麻由, 川田, 清和, 黒川, 巧, 中村, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 植生学会 2022
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ISSN1342-2448
2189-4809
DOI10.15031/vegsci.39.59

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Summary:カザフスタンの耕作放棄地において種組成と生産性について検証した.また各調査地点の種組成を比較して,遷移パターンにおけるコミュニティーアセンブリルールについて議論した.調査地はカザフスタンの北部および西部ステップの6地点を選択した.除歪対応分析(DCA)第1軸のスコアが低い場合の種組成は,局所的な安定状態を反映していると考えられた.一方,DCA第2軸に沿った種組成の違いは,種プールの地域特性を反映していると考えられた.耕作放棄地の初期条件を管理することは,ステップの回復にとって重要であると結論づけた.カザフスタンのステップで耕作放棄地の管理を成功させるには,二次遷移の初期段階を注意深く監視する必要があることが示唆された.
ISSN:1342-2448
2189-4809
DOI:10.15031/vegsci.39.59