腹腔鏡下に切除した肝十二指腸間膜・下大静脈圧排肝嚢胞(径13.3cm)の1例
われわれは,呼吸困難・腹部膨満感・下肢浮腫を主訴に来院し,肝十二指腸間膜および下大静脈を著明に圧排・伸展させた尾状葉発生の巨大な肝嚢胞に対し,腹腔鏡下に天蓋切除術を施行した1例を経験したため,文献的考察を含め報告する. 症例は70歳の女性.16年前に検診にて指摘された単純性肝嚢胞が増大し,自覚症状をきたすようになり,手術目的に入院となった.手術は,嚢胞表面を走行する脈管を剥離の後,嚢胞内容液を吸引し,天蓋切除術を施行した.自覚症状は著明に改善し,再発所見なく,外来にて経過観察中である. 単純性肝嚢胞にする腹腔鏡下手術は安全かつ低侵襲であり,患者のquality of lifeの視点からも有用な...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 9; pp. 2519 - 2523 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2014
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.75.2519 |
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| Summary: | われわれは,呼吸困難・腹部膨満感・下肢浮腫を主訴に来院し,肝十二指腸間膜および下大静脈を著明に圧排・伸展させた尾状葉発生の巨大な肝嚢胞に対し,腹腔鏡下に天蓋切除術を施行した1例を経験したため,文献的考察を含め報告する. 症例は70歳の女性.16年前に検診にて指摘された単純性肝嚢胞が増大し,自覚症状をきたすようになり,手術目的に入院となった.手術は,嚢胞表面を走行する脈管を剥離の後,嚢胞内容液を吸引し,天蓋切除術を施行した.自覚症状は著明に改善し,再発所見なく,外来にて経過観察中である. 単純性肝嚢胞にする腹腔鏡下手術は安全かつ低侵襲であり,患者のquality of lifeの視点からも有用な治療法と思われた. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.75.2519 |