P1-041  尿崩症を合併したGranulomatosis with polyangiitis(Wegener's)の一例

【症例】30歳女性.【主訴】口渇,多飲,多尿.【現病歴】1996年にGranulomatosis with polyangiitis(GPA)発症.その後眼窩,尿道,肺病変も認めた.プレドニゾロン(PSL)大量療法,シクロホスファミドで治療されたが,出血性膀胱炎が出現した.その後再燃を繰り返し,ステロイド増量に加えてメトトレキサート,シクロスポリン,インフリキシマブなどが用いられたが,長期寛解維持が困難であった.2009年にリツキシマブ(600 mg×4回)を投与し,血中B細胞の消失とともに上気道・肺病変は寛解した.しかし2011年12月よりPR3-ANCAの上昇とともに眼窩・上気道・肺病変が...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 35; no. 4; p. 347a
Main Authors 西山, 信吾, 松尾, 崇史, 吉藤, 元, 大村, 浩一郎, 井村, 嘉孝, 藤井, 隆夫, 山川, 範之, 湯川, 尚一郎, 橋本, 求, 辻, 英輝, 中嶋, 蘭, 三森, 経世
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2012
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.35.347a

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Summary:【症例】30歳女性.【主訴】口渇,多飲,多尿.【現病歴】1996年にGranulomatosis with polyangiitis(GPA)発症.その後眼窩,尿道,肺病変も認めた.プレドニゾロン(PSL)大量療法,シクロホスファミドで治療されたが,出血性膀胱炎が出現した.その後再燃を繰り返し,ステロイド増量に加えてメトトレキサート,シクロスポリン,インフリキシマブなどが用いられたが,長期寛解維持が困難であった.2009年にリツキシマブ(600 mg×4回)を投与し,血中B細胞の消失とともに上気道・肺病変は寛解した.しかし2011年12月よりPR3-ANCAの上昇とともに眼窩・上気道・肺病変が再燃した.PSLを増量(9.5→15 mg/日)後PR3-ANCAは低下したが,翌年1月に口渇,多飲,多尿が出現,尿量は6000 ml/日を超え,臨床症状から尿崩症が疑われた.入院後,水制限試験.バゾプレシン負荷試験の結果より,中枢性尿崩症と診断された.頭部MRIで下垂体腫大を認め,原疾患による尿崩症としてPSLを増量(50 mg/日)し,リツキシマブを再投与した.その後下垂体,肺陰影の縮小を認めるも尿量には十分な改善なく,デスモプレシン点鼻薬の開始・継続が必要であった.【考察】GPAに合併した尿崩症はまれであるが難治性である.GPAに合併した尿崩症の病態や治療に関し,文献的考察も含めて報告する.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.35.347a