気液分離器を用いたCFA法によるアンモニア態窒素分析手法開発

有害物質であるフェノールを用いない迅速簡便なアンモニア態窒素測定法の確立を目指し,連続流れ分析(CFA)による分析法を開発した.試料中の金属イオン等による測定の妨害を防ぐため,エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を添加した.そして,EDTA による発色機構への妨害低減および夾雑物質の影響の防止のためPTFE メンブレンフィルターによる気液分離器を用いた.この気液分離器によって試料中のアンモニアのみをガス状で分離し,サリチル酸インドフェノール法で測定を行うことで,フェノールを使用せず,妨害物質の影響を受けにくい分析が可能となった.本法とフェノールを使用する従来法を用いて海水,工場排水等の測定を行い...

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Published in環境技術 Vol. 52; no. 6; pp. 313 - 320
Main Authors 高橋, のどか, 奥西, 将之, 神野, 良誠, 田熊, 保彦, 前田, 広人, 森久保, 諭, 熊澤, 頼博, 榎本, 大佑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 環境技術学会 20.11.2024
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ISSN0388-9459
1882-8590
DOI10.5956/jriet.52.6_313

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Summary:有害物質であるフェノールを用いない迅速簡便なアンモニア態窒素測定法の確立を目指し,連続流れ分析(CFA)による分析法を開発した.試料中の金属イオン等による測定の妨害を防ぐため,エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を添加した.そして,EDTA による発色機構への妨害低減および夾雑物質の影響の防止のためPTFE メンブレンフィルターによる気液分離器を用いた.この気液分離器によって試料中のアンモニアのみをガス状で分離し,サリチル酸インドフェノール法で測定を行うことで,フェノールを使用せず,妨害物質の影響を受けにくい分析が可能となった.本法とフェノールを使用する従来法を用いて海水,工場排水等の測定を行い,両者を比較すると同等の結果を得られることを確認した.また,測定法自体の評価および統計解析の結果,本法と従来法に大きな差はないことを確認した.以上より,本法が従来法と同等の測定能を有し,従来法に代替可能であることが示唆された.
ISSN:0388-9459
1882-8590
DOI:10.5956/jriet.52.6_313