人工心肺下心臓大血管手術時のヘパリン抵抗性に影響する因子の検討

佐賀大学医学部附属病院で人工心肺下に心臓大血管手術を施行した患者173例について,ヘパリン抵抗性の発現率および予測因子の後方視的検討を行った.初回未分画ヘパリン(UFH)投与(300U/kg)3分後の活性化凝固時間(ACT)により,患者をACT低値群(400秒未満;32例)と高値群(400秒以上;141例)に分けた.背景因子では,術前脳梗塞の既往,ヘモグロビン,血小板,アルブミン,フィブリノゲンで群間に有意差が認められた.多変量解析では,脳梗塞歴,アルブミン,血小板数がUFH抵抗性予測因子であった.UFH抵抗性が予測される患者では,より効率的な抗凝固管理戦略の必要性がある....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 44; no. 3; pp. 270 - 279
Main Authors 中村, 公秀, 山下, 友子, 中川内, 章, 瀨戸口, 秀一, 谷川, 義則, 坂口, 嘉郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.05.2024
Subjects
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.44.270

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Summary:佐賀大学医学部附属病院で人工心肺下に心臓大血管手術を施行した患者173例について,ヘパリン抵抗性の発現率および予測因子の後方視的検討を行った.初回未分画ヘパリン(UFH)投与(300U/kg)3分後の活性化凝固時間(ACT)により,患者をACT低値群(400秒未満;32例)と高値群(400秒以上;141例)に分けた.背景因子では,術前脳梗塞の既往,ヘモグロビン,血小板,アルブミン,フィブリノゲンで群間に有意差が認められた.多変量解析では,脳梗塞歴,アルブミン,血小板数がUFH抵抗性予測因子であった.UFH抵抗性が予測される患者では,より効率的な抗凝固管理戦略の必要性がある.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.44.270