JAMSとともに歩んだ高機能患者シミュレータ(HPS)の10年とこれからの展望

過去1990年頃には麻酔に起因する医療事故が頻発し社会問題と化したが,これらの減少に向けた組織的な取り組みの一つとして,高機能患者シミュレータ(HPS)が導入された.HPSによる訓練では事故の背景にある人的エラーや潜在エラー要因,活性化イベント,防御メカニズムについて理解し,人の行動分析(動的判断モデル)に基づく対処が重要である.日本における麻酔科関連学会においてHPSシンポジウムやワークショップが多々開催され医療安全のための社会基盤としての認知が広まったが,2005年に日本医学シミュレーション学会が設立され,さらなる啓蒙活動の場が生まれた.これらの経過を紹介し,将来計画について議論する....

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Bibliographic Details
Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 36; no. 3; pp. 329 - 333
Main Authors 中島, 芳樹, 市川, 美智華, 森田, 耕司, 小楠, 敏代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2016
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.36.329

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Summary:過去1990年頃には麻酔に起因する医療事故が頻発し社会問題と化したが,これらの減少に向けた組織的な取り組みの一つとして,高機能患者シミュレータ(HPS)が導入された.HPSによる訓練では事故の背景にある人的エラーや潜在エラー要因,活性化イベント,防御メカニズムについて理解し,人の行動分析(動的判断モデル)に基づく対処が重要である.日本における麻酔科関連学会においてHPSシンポジウムやワークショップが多々開催され医療安全のための社会基盤としての認知が広まったが,2005年に日本医学シミュレーション学会が設立され,さらなる啓蒙活動の場が生まれた.これらの経過を紹介し,将来計画について議論する.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.36.329