腱板広範囲断裂に対する上腕二頭筋長頭腱を補強材料とした鏡視下腱板再建術

修復が困難な腱板広範囲断裂の対処法として,症例を選んで上腕二頭筋長頭腱を補強材料とした鏡視下再建法を行った.その術後成績を検討した.鏡視下腱板修復術112例中,本術式を行った6例(男性5例,女性1例)を対象とした.平均年齢は,60歳(55-69歳)であり,右肩罹患が3例であった.5例は外傷性であり,平均罹病期間は5.7カ月(1-18カ月)であった.棘上筋・棘下筋断裂4例,棘上筋・棘下筋・肩甲下筋断裂2例であった.経過観察期間は,平均28カ月(6-38カ月)であった.術前 JOA score は平均56点(47-68点)から術後平均89点(85-92点)に有意に改善した.JOA score の挙...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 56; no. 1; pp. 76 - 78
Main Authors 森田, 誠, 時吉, 聡介, 水田, 博志, 佐藤, 貴久, 井手, 淳二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2007
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.56.76

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Summary:修復が困難な腱板広範囲断裂の対処法として,症例を選んで上腕二頭筋長頭腱を補強材料とした鏡視下再建法を行った.その術後成績を検討した.鏡視下腱板修復術112例中,本術式を行った6例(男性5例,女性1例)を対象とした.平均年齢は,60歳(55-69歳)であり,右肩罹患が3例であった.5例は外傷性であり,平均罹病期間は5.7カ月(1-18カ月)であった.棘上筋・棘下筋断裂4例,棘上筋・棘下筋・肩甲下筋断裂2例であった.経過観察期間は,平均28カ月(6-38カ月)であった.術前 JOA score は平均56点(47-68点)から術後平均89点(85-92点)に有意に改善した.JOA score の挙上点数は平均7.5点(3-12点)から術後平均14.5点(12-15点)へ有意に改善した.上腕二頭筋長頭腱を補強材料とした鏡視下再建法は,修復困難な腱板広範囲断裂に対する選択肢の1つとして推奨できる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.56.76