血液疾患併発感染症に対するflomoxefとaztreonamの併用療法の臨床的検討
血液疾患に併発した感染症に対して, flomoxef (FMOX)・aztreonam (AZT) の併用療法を行った。評価対象例は, 102例で著効, 有効を合わせた総有効率は, 69.6%であった。症例は急性白血病がもっとも多く49例で, 次いで悪性リンパ腫14例, 慢性骨髄性白血病10例等であった。感染症別では, 敗血症疑いの症例がもっとも多く78例でその有効率は, 69.2%であり, 敗血症では6例で66.7%, 肺炎では7例57.1%の有効率であった。FMOX・AZT投与前と投与開始後7日目の好中球数別有効率では, ともに500/μl以下では65.5%, ともに100/μl以下では5...
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          | Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 42; no. 6; pp. 761 - 767 | 
|---|---|
| Main Authors | , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益社団法人 日本化学療法学会
    
        1994
     | 
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0009-3165 1884-5894  | 
| DOI | 10.11250/chemotherapy1953.42.761 | 
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| Summary: | 血液疾患に併発した感染症に対して, flomoxef (FMOX)・aztreonam (AZT) の併用療法を行った。評価対象例は, 102例で著効, 有効を合わせた総有効率は, 69.6%であった。症例は急性白血病がもっとも多く49例で, 次いで悪性リンパ腫14例, 慢性骨髄性白血病10例等であった。感染症別では, 敗血症疑いの症例がもっとも多く78例でその有効率は, 69.2%であり, 敗血症では6例で66.7%, 肺炎では7例57.1%の有効率であった。FMOX・AZT投与前と投与開始後7日目の好中球数別有効率では, ともに500/μl以下では65.5%, ともに100/μl以下では53.8%で, ともに500/μl以上では71.7%であった。また, granulocyte colony stimulating factor (G-CSF) 併用群では, 有効率では, 75.0%であり, 非併用群では, 68.3%であり, 抗生剤投与前の好中球数100/μl以下の症例では, 併用群8例中5例 (62.5%), 非併用群14例中7例 (50.0%) であった。原因菌では, Staphylococcus属が45.5%を占め, 次いでPseudomonas属が多かった。また, G-CSFの血中濃度は炎症の重症度を反映しておりCRPと相関していた。FMOX・AZT併用療法は, 血液疾患併発感染症に対して安全性が高く, 有効率も高く有用であった。 | 
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| ISSN: | 0009-3165 1884-5894  | 
| DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.42.761 |