日本総合健診医学会 第51回大会・共催シンポジウム1 検診に役立つ内視鏡診療─画像強調観察からAIまで 板橋区胃がん検診(内視鏡検査)におけるクラウド方式による2次読影システム導入の現状と課題

東京都板橋区では2019年より胃がん検診(内視鏡検査)を、診療所8施設、病院10施設の参加で開始した。精度管理として2次読影が推奨されているが、読影の労務効率化は、検診実施施設を増やす上で必要な課題であり、検診導入の準備段階から板橋区医師会と板橋区でクラウド方式による読影システム導入の検討が進められた。その結果、クラウド方式による2次読影システム(富士フイルムメディカル社)導入が決定された。導入に向けては、個人情報の扱いが重要な課題となり、併せて各施設のPC・ネット環境の整備、運用方法の各施設への周知などクラウド運用業者との緊密な連携が必要とされた。板橋区胃がん検診(内視鏡検査)の特徴として、...

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Published in総合健診 Vol. 50; no. 6; pp. 549 - 559
Main Authors 太田, 昭彦, 矢郷, 祐三, 小林, 匡, 安田, 武史, 風見, 明, 河合, 隆, 齋藤, 英治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本総合健診医学会 10.11.2023
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ISSN1347-0086
1884-4103
DOI10.7143/jhep.50.549

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Summary:東京都板橋区では2019年より胃がん検診(内視鏡検査)を、診療所8施設、病院10施設の参加で開始した。精度管理として2次読影が推奨されているが、読影の労務効率化は、検診実施施設を増やす上で必要な課題であり、検診導入の準備段階から板橋区医師会と板橋区でクラウド方式による読影システム導入の検討が進められた。その結果、クラウド方式による2次読影システム(富士フイルムメディカル社)導入が決定された。導入に向けては、個人情報の扱いが重要な課題となり、併せて各施設のPC・ネット環境の整備、運用方法の各施設への周知などクラウド運用業者との緊密な連携が必要とされた。板橋区胃がん検診(内視鏡検査)の特徴として、クラウド使用下の個人情報漏洩対策(内視鏡画像を含めた名前の非表示・検診用PC関連のルール策定)、参加施設で病院の割合の多さが挙がる。クラウド方式による2次読影では医師会館での集合方式ではなく、自院で2次読影が可能となる。特にコロナ禍においては、密を防ぐ意味でクラウド方式のメリットが存在した。一方、期限内読影、クラウドシステム内の必須項目の入力、撮像法のマニュアル遵守など重要ルールの検診実施医全てへの周知徹底は難しい課題であり、講習会や分かりやすい資料作成など、ルール周知を効率的に行う工夫が必要とされた。
ISSN:1347-0086
1884-4103
DOI:10.7143/jhep.50.549