腹腔鏡下回盲部切除を施行した腸管子宮内膜症に低異形度虫垂粘液性腫瘍(LAMN)が並存していた1例
症例は,36歳の女性。便秘と腹痛を繰り返すため当院を受診した。月経周期に一致する腹部症状とCA-125上昇,腹部造影CT検査で回腸末端の腸管壁肥厚を認め,MRI検査で同部位のT1強調像の高信号,T2強調像の低信号,造影MRIでの均一な造影効果,脂肪抑制T1強調像での小囊胞部分の高信号などから腸管子宮内膜症と診断した。術前検査では虫垂腫大は指摘できなかった。術前に腸管減圧を行い,腹腔鏡下回盲部切除術を施行した。病理組織学的検査では回腸末端部の腸管子宮内膜症と低異型度虫垂粘液性腫瘍(low grade appendiceal mucinous neoplasm:以下,LAMN)の並存病変であった。...
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| Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 41; no. 4; pp. 251 - 254 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本腹部救急医学会
31.07.2021
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI | 10.11231/jaem.41.4_251 |
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| Summary: | 症例は,36歳の女性。便秘と腹痛を繰り返すため当院を受診した。月経周期に一致する腹部症状とCA-125上昇,腹部造影CT検査で回腸末端の腸管壁肥厚を認め,MRI検査で同部位のT1強調像の高信号,T2強調像の低信号,造影MRIでの均一な造影効果,脂肪抑制T1強調像での小囊胞部分の高信号などから腸管子宮内膜症と診断した。術前検査では虫垂腫大は指摘できなかった。術前に腸管減圧を行い,腹腔鏡下回盲部切除術を施行した。病理組織学的検査では回腸末端部の腸管子宮内膜症と低異型度虫垂粘液性腫瘍(low grade appendiceal mucinous neoplasm:以下,LAMN)の並存病変であった。虫垂を含む回盲部近傍の子宮内膜症ではLAMNの併発も念頭に置き,術中の腹腔内観察や愛護的な手術手技による早期外科治療を検討する必要がある。 |
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| ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI: | 10.11231/jaem.41.4_251 |