Hybrid Assistive Limb(HAL®)医療用下肢タイプによる歩行運動療法を継続した筋萎縮性側索硬化症の1例

Hybrid Assistive Limb医療用下肢タイプ(HAL®)による歩行運動療法を継続した筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)の1例を報告する.症例は61歳女性.4点杖による介助歩行が可能で,座位・立位姿勢にて頸部と体幹の前屈を認めていた.Edaravoneの経静脈的投与と並行して,歩行能力の維持を目的として1クールあたり20分/日×9日を基本とするHAL®による歩行運動療法を開始した.1クール目の終了時には歩行機能が改善し,14~31日のインターバルをおきながら歩行運動療法を継続した.経過を通じて歩行機能は緩徐に低下したが,歩行運動...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in神経治療学 Vol. 36; no. 5; pp. 601 - 605
Main Authors 伊藤, 恒, 亀井, 徹正, 角田, 賢史, 堀越, 一孝, 阿部, 誠也, 福武, 滋, 渡邊, 宏樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 2019
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0916-8443
2189-7824
DOI10.15082/jsnt.36.5_601

Cover

More Information
Summary:Hybrid Assistive Limb医療用下肢タイプ(HAL®)による歩行運動療法を継続した筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)の1例を報告する.症例は61歳女性.4点杖による介助歩行が可能で,座位・立位姿勢にて頸部と体幹の前屈を認めていた.Edaravoneの経静脈的投与と並行して,歩行能力の維持を目的として1クールあたり20分/日×9日を基本とするHAL®による歩行運動療法を開始した.1クール目の終了時には歩行機能が改善し,14~31日のインターバルをおきながら歩行運動療法を継続した.経過を通じて歩行機能は緩徐に低下したが,歩行運動療法の各クール終了時には歩行機能の改善が認められた.また,座位での頸部・体幹の前屈が一過性に改善した.HAL®による歩行運動療法を継続することにより,短期的ではあるが,歩行機能と体幹機能の改善が期待できることが示唆された.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.36.5_601