小型落針式粘度計を用いた粘度測定における不確かさの評価

本研究室では,血液やイオン液体などの流動特性を解析するために落体式粘度計の一種である小型落針式粘度計(FNR)の開発を行ってきた.本研究では,FNRを用いた粘度測定における不確かさを評価した.密度の異なる8本のニードル(ρs= 1030-1505 kg/m3)を用いた校正における不確かさを評価した結果,最も大きな不確かさの要因はニードルと試料の密度差(ρs - ρf)であった.粘度測定の不確かさを減少させるためにはニードルの質量を高精度に測定することが必要であることがわかった.ρs - ρfが610 kg/m3では,FNRを用いた未知試料の粘度測定における拡張不確かさは0.90 %(包含係数...

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Published in熱物性 Vol. 28; no. 4; pp. 173 - 178
Main Authors 荒木, 貞夫, 山本, 秀樹, 松永, 直之, 鈴木, 貴雅, 田村, 栄二, 川村, 公人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本熱物性学会 2015
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ISSN0913-946X
1881-414X
DOI10.2963/jjtp.28.173

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Summary:本研究室では,血液やイオン液体などの流動特性を解析するために落体式粘度計の一種である小型落針式粘度計(FNR)の開発を行ってきた.本研究では,FNRを用いた粘度測定における不確かさを評価した.密度の異なる8本のニードル(ρs= 1030-1505 kg/m3)を用いた校正における不確かさを評価した結果,最も大きな不確かさの要因はニードルと試料の密度差(ρs - ρf)であった.粘度測定の不確かさを減少させるためにはニードルの質量を高精度に測定することが必要であることがわかった.ρs - ρfが610 kg/m3では,FNRを用いた未知試料の粘度測定における拡張不確かさは0.90 %(包含係数 = 2)以下であることを確認した.
ISSN:0913-946X
1881-414X
DOI:10.2963/jjtp.28.173