教育社会心理学研究の動向と「未来社会を切り拓くための資質・能力」を育成する研究の概観

本稿の目的は,教育社会心理学に関する近年の動向を概観し,今後の教育社会心理学の実践への貢献について議論することである。まず,本稿の前半では,日本教育心理学会第62回総会における教育社会心理学に関する発表と,2019年7月から2020年6月の間に発行された『教育心理学研究』に掲載された教育社会心理学研究に関する論文について概観した。本稿の後半では,新学習指導要領において取り上げられている「未来社会を切り拓くための資質・能力」を自律性に関わる要因と社会性に関わる要因から捉え,それらの育成に教育社会心理学研究がいかなる貢献ができるかについて議論した。ここでの議論を基に,各教科における教育社会心理学研...

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Published in教育心理学年報 Vol. 60; pp. 49 - 68
Main Author 中西, 良文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本教育心理学会 30.03.2021
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ISSN0452-9650
2186-3091
DOI10.5926/arepj.60.49

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Summary:本稿の目的は,教育社会心理学に関する近年の動向を概観し,今後の教育社会心理学の実践への貢献について議論することである。まず,本稿の前半では,日本教育心理学会第62回総会における教育社会心理学に関する発表と,2019年7月から2020年6月の間に発行された『教育心理学研究』に掲載された教育社会心理学研究に関する論文について概観した。本稿の後半では,新学習指導要領において取り上げられている「未来社会を切り拓くための資質・能力」を自律性に関わる要因と社会性に関わる要因から捉え,それらの育成に教育社会心理学研究がいかなる貢献ができるかについて議論した。ここでの議論を基に,各教科における教育社会心理学研究がより展開されることと,年齢段階に対応したカリキュラムを充実させることの重要性について論じた。
ISSN:0452-9650
2186-3091
DOI:10.5926/arepj.60.49