腹腔鏡補助下結腸右半切除術を行った結腸真性憩室症(5cm大)の1例
結腸巨大憩室症は稀な疾患であり,その中でも真性憩室の割合は少ない.今回,腹腔鏡下に切除した結腸巨大真性憩室症の1例を経験したので報告する.症例は62歳,男性.右腹部痛を主訴に近医を受診し,腹部腫瘤を指摘された.精査加療目的に当院に紹介となり,腹部CTで上行結腸腹側に接する5cm大の腫瘤を認めた.腸管との連続性が疑われ,内部には糞便と思われる石灰化を伴っていた.下部消化管内視鏡所見では上行結腸に巨大憩室を認めた他に,小憩室を多数認めた.以上より,上行結腸巨大憩室症と診断し,待機的に腹腔鏡補助下結腸右半切除術を施行した.巨大憩室周囲は癒着が高度で炎症によるものと思われた.病理組織学的検査では筋層を...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 3; pp. 591 - 594 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2021
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.82.591 |
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Summary: | 結腸巨大憩室症は稀な疾患であり,その中でも真性憩室の割合は少ない.今回,腹腔鏡下に切除した結腸巨大真性憩室症の1例を経験したので報告する.症例は62歳,男性.右腹部痛を主訴に近医を受診し,腹部腫瘤を指摘された.精査加療目的に当院に紹介となり,腹部CTで上行結腸腹側に接する5cm大の腫瘤を認めた.腸管との連続性が疑われ,内部には糞便と思われる石灰化を伴っていた.下部消化管内視鏡所見では上行結腸に巨大憩室を認めた他に,小憩室を多数認めた.以上より,上行結腸巨大憩室症と診断し,待機的に腹腔鏡補助下結腸右半切除術を施行した.巨大憩室周囲は癒着が高度で炎症によるものと思われた.病理組織学的検査では筋層を有する憩室壁が確認され,真性憩室と診断された.細菌感染を伴っていたが,悪性所見は認めなかった. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.82.591 |