高次脳機能障害者支援の現状と課題─調査研究の結果から

高次脳機能障害の支援について, 障害福祉制度の整備は進んだが, 同障害の特性に応じた支援が現場で十分行われているとはいえない。この課題に対応するため, 厚生労働科学研究を用いて平成 30~31 (2018~2019) 年度に「高次脳機能障害の障害特性に応じた支援マニュアルの開発のための研究」を実施し, その一環として, 支援の実態調査および分析を行った。結果, 相談支援事業所, 就労系事業所等障害福祉サービス現場の支援者養成が喫緊の課題であることが明らかとなった。そのため続けて令和 2~4 (2020~2022) 年度に「高次脳機能障害の障害特性に応じた支援者養成研修カリキュラム及びテキストの...

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Published in高次脳機能研究 (旧 失語症研究) Vol. 44; no. 3; pp. 189 - 193
Main Author 深津, 玲子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本高次脳機能学会 30.09.2024
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ISSN1348-4818
1880-6554
DOI10.2496/hbfr.44.189

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Summary:高次脳機能障害の支援について, 障害福祉制度の整備は進んだが, 同障害の特性に応じた支援が現場で十分行われているとはいえない。この課題に対応するため, 厚生労働科学研究を用いて平成 30~31 (2018~2019) 年度に「高次脳機能障害の障害特性に応じた支援マニュアルの開発のための研究」を実施し, その一環として, 支援の実態調査および分析を行った。結果, 相談支援事業所, 就労系事業所等障害福祉サービス現場の支援者養成が喫緊の課題であることが明らかとなった。そのため続けて令和 2~4 (2020~2022) 年度に「高次脳機能障害の障害特性に応じた支援者養成研修カリキュラム及びテキストの開発のための研究」を実施し, 高次脳機能障害者に対する支援者養成研修のカリキュラムとテキストを同時開発した。研修は対象により基礎編, 応用編の 2 部構成で, それぞれ講義と演習からなり, テキストおよび講義動画を web 公開している。高次脳機能障害に対応可能な支援者を増やすことで, 同障害者が住み慣れた地域で生活を営める体制整備の推進が期待される。
ISSN:1348-4818
1880-6554
DOI:10.2496/hbfr.44.189