日本総合健診医学会 第51回大会・シンポジウム2 ウィズコロナ時代の健診・人間ドックのあり方~感染蔓延3年間の取り組みと事例紹介 当院の新型コロナ禍前後における健診受診者数および発見がん数の推移
新型コロナ禍による健診受診控えから、早期がん発見機会の減少が懸念されている。新型コロナ禍前 (2019年度) および後 (2020、2021年度) の、当院における健診受診者総数と、健診で発見された悪性疾患を部位別 (乳腺、大腸、肺、胃、子宮、その他) に集計し、検索しえた範囲で早期がんの割合を求めた。巡回健診は新型コロナ禍の影響を大きく受け、2019年度 (134,906人) から2020年度 (95,745人) 大きく落ち込み、2021年度 (112,004人) も新型コロナ禍前の水準に達しなかった。外来健診は、2020年4月に当院がみなとみらい地区へ移転して、受け入れ可能数が増えたことも...
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Published in | 総合健診 Vol. 50; no. 6; pp. 606 - 610 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本総合健診医学会
10.11.2023
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ISSN | 1347-0086 1884-4103 |
DOI | 10.7143/jhep.50.606 |
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Summary: | 新型コロナ禍による健診受診控えから、早期がん発見機会の減少が懸念されている。新型コロナ禍前 (2019年度) および後 (2020、2021年度) の、当院における健診受診者総数と、健診で発見された悪性疾患を部位別 (乳腺、大腸、肺、胃、子宮、その他) に集計し、検索しえた範囲で早期がんの割合を求めた。巡回健診は新型コロナ禍の影響を大きく受け、2019年度 (134,906人) から2020年度 (95,745人) 大きく落ち込み、2021年度 (112,004人) も新型コロナ禍前の水準に達しなかった。外来健診は、2020年4月に当院がみなとみらい地区へ移転して、受け入れ可能数が増えたこともあり、増加傾向 (2019年度29,144人、2020年度35,087人、2021年度43,873人) となった。受診者総数は、巡回健診の落ち込みが大きく、2021年度も新型コロナ禍前 (2019年度) の水準まで回復しなかった。発見がん数は受診者総数とは比例せず、増加傾向 (2019年度177例、2020年度200例、2021年度214例) となった。特に2020年度大腸がん発見数の増加が顕著 (2019年度30例→2020年度59例) であり、早期がんの報告が増加していたが、発見がん全体でみると、早期がんの割合は低下傾向であった (2019年度38.5%、2020年度36.2%、2021年度35.1%)。新型コロナ禍にあっても、健診・予防医療の重要性に変わるところはなく、今後も健診会場における感染対策を徹底して、精度管理の向上に努めたうえで、健診事業を継続していきたい。 |
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ISSN: | 1347-0086 1884-4103 |
DOI: | 10.7143/jhep.50.606 |