ピクセルシャッフルを用いた画像ベースサロゲートモデルの学習高速化

多大な計算時間を必要とする大規模数値シミュレーションを機械学習モデルなどの近似モデルで置き換えることにより,大幅な計算時間短縮が期待されるサロゲートモデルに関する研究が注目されている.しかし,シミュレーションによって出力される数値データが大規模であった場合は,サロゲートモデルによって出力されるデータも大規模となり,解析時の可視化処理が困難な状況が発生する可能性がある.大規模なシミュレーション結果を対象にした場合,可視化処理も考慮したサロゲートモデル(画像ベースサロゲートモデル)が構築できれば,数値データを出力することなく可視化結果画像を直接出力できるようになり,可視化を介した解析において大幅な...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本シミュレーション学会論文誌 Vol. 16; no. 2; pp. 48 - 59
Main Authors 坂本, 尚久, 三宅, 智也, 田中, 祐希
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本シミュレーション学会 2024
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1883-5031
1883-5058
DOI10.11308/tjsst.16.48

Cover

More Information
Summary:多大な計算時間を必要とする大規模数値シミュレーションを機械学習モデルなどの近似モデルで置き換えることにより,大幅な計算時間短縮が期待されるサロゲートモデルに関する研究が注目されている.しかし,シミュレーションによって出力される数値データが大規模であった場合は,サロゲートモデルによって出力されるデータも大規模となり,解析時の可視化処理が困難な状況が発生する可能性がある.大規模なシミュレーション結果を対象にした場合,可視化処理も考慮したサロゲートモデル(画像ベースサロゲートモデル)が構築できれば,数値データを出力することなく可視化結果画像を直接出力できるようになり,可視化を介した解析において大幅な効率化が期待できる.本研究では,数値データを対象とする複数の可視化画像と,そのときのシミュレーションパラメータを一緒に学習することで,画像ベースサロゲートモデルを構築する.開発する学習モデルは,敵対的生成ネットワークモデルをもとにして構成され,その一部である生成器に対して,特徴抽出を効率化するためにピクセルシャッフルを適用することで,学習損失の収束を高速化する.実験では,本手法を実際の数値シミュレーションに適用し,既存の学習モデルと同程度の予測精度を保ちつつ約2.7倍の高速化に成功した.
ISSN:1883-5031
1883-5058
DOI:10.11308/tjsst.16.48