水分・光環境の違いが小笠原諸島絶滅危惧種2種に及ぼす影響

小笠原諸島の固有種であり絶滅危惧ⅠA類に指定されているムニンノボタンとタイヨウフウトウカズラが衰弱する要因はよくわかっていない。そこで本研究では,水分と光の条件に着目し,実験により衰弱する条件を把握した。灌水制限と遮光の有無による4つの実験設定を行い,栽培実験を実施したところ,2種とも水分と光を制限することで生育阻害が生じた。また,小笠原諸島の生息地での環境を実験で得たデータをもとに評価したところ,水分条件には大きな差がないが,光量は不足している個体もあるなど個体差があることがわかった。本研究により,生息地における光環境の改善が2種の良好な生育には必要であると考えられる。...

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Published in日本緑化工学会誌 Vol. 50; no. 1; pp. 25 - 30
Main Authors 小牧, 義輝, 勝田, 真一, 加藤, 顕, 上原, 浩一, 田中, 健文, 瀬戸口, 浩彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 31.08.2024
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ISSN0916-7439
0916-7439
DOI10.7211/jjsrt.50.25

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Summary:小笠原諸島の固有種であり絶滅危惧ⅠA類に指定されているムニンノボタンとタイヨウフウトウカズラが衰弱する要因はよくわかっていない。そこで本研究では,水分と光の条件に着目し,実験により衰弱する条件を把握した。灌水制限と遮光の有無による4つの実験設定を行い,栽培実験を実施したところ,2種とも水分と光を制限することで生育阻害が生じた。また,小笠原諸島の生息地での環境を実験で得たデータをもとに評価したところ,水分条件には大きな差がないが,光量は不足している個体もあるなど個体差があることがわかった。本研究により,生息地における光環境の改善が2種の良好な生育には必要であると考えられる。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.50.25