SLC22A12とABCG2の遺伝子多型と血清尿酸値の関連における背景因子の影響について:山形(高畠)研究
血清尿酸値の調節には,遺伝素因に加えて,生活食事習慣,合併症などの背景因子が関与している.本検討では,2004年に山形県高畠町の地域健康診断を受診した1599名(男性45.1%,平均年齢61.3歳)を対象として,血清尿酸値と尿酸代謝関連遺伝子の一塩基多型SLC22A12(rs505802),ABCG2 (rs2231142)の関連に,背景因子(年齢,性別,高血圧,糖尿病,肥満,飲酒,喫煙,腎機能,脂質異常)が与える影響を横断的に検討した.交絡因子で補正した重回帰分析では,SLC22A12とABCG2各遺伝子多型と血清尿酸値の関連は,腎機能正常群(推定GFR 60mL/分/1.73m2以上)では...
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Published in | 痛風と核酸代謝 Vol. 39; no. 2; pp. 129 - 135 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
2015
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Subjects | |
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ISSN | 1344-9796 2186-6368 |
DOI | 10.6032/gnam.39.129 |
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Summary: | 血清尿酸値の調節には,遺伝素因に加えて,生活食事習慣,合併症などの背景因子が関与している.本検討では,2004年に山形県高畠町の地域健康診断を受診した1599名(男性45.1%,平均年齢61.3歳)を対象として,血清尿酸値と尿酸代謝関連遺伝子の一塩基多型SLC22A12(rs505802),ABCG2 (rs2231142)の関連に,背景因子(年齢,性別,高血圧,糖尿病,肥満,飲酒,喫煙,腎機能,脂質異常)が与える影響を横断的に検討した.交絡因子で補正した重回帰分析では,SLC22A12とABCG2各遺伝子多型と血清尿酸値の関連は,腎機能正常群(推定GFR 60mL/分/1.73m2以上)では有意であったが,腎機能低下群では有意ではなかった.性別では,男性において各遺伝子多型と血清尿酸値の関連がより強かった.また,ABCG2遺伝子多型は喫煙と有意な交互作用を認め,喫煙群で遺伝子多型と血清尿酸の関連が強かった.本検討結果より,日本人地域住民において,尿酸代謝関連遺伝子SLC22A12とABCG2の一塩基多型は血清尿酸値の独立した関連因子であり,その関連性には,腎機能,性別,喫煙などの背景因子が影響することが示唆された. |
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ISSN: | 1344-9796 2186-6368 |
DOI: | 10.6032/gnam.39.129 |