ナノダイヤモンドペレットを蒸着源に用いたアモルファスカーボン膜の作製

研究ではナノダイヤモンド(ND)をプレス成型したペレットの作製とNDペレットを用いた電子ビ-ム蒸着による炭素膜の作製について検討した.NDペレットは荷重の増加に伴い灰色から黒色へと色彩が変化し,300℃で成形することで蒸着源として使用した場合のガス放出は減少した.NDペレットおよびグラファイトから作製した薄膜の摩擦係数は0.1程度であり,相手材摩耗量はNDが低い値を示した.また,薄膜のラマンスペクトルは蒸着源および基板温度によって変化し,ND蒸着源から作製した薄膜のGバンドの半値幅は158cm-1とグラファイトの152cm-1よりも広い値を示し,高硬度である可能性が示された.また,Gバンドの半...

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Published in砥粒加工学会誌 Vol. 68; no. 5; pp. 260 - 266
Main Authors 文東, 洋輔, 原田, 泰典, 大西, 亮多, 木本, 訓弘, 田中, 一平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 砥粒加工学会 01.05.2024
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ISSN0914-2703
1880-7534
DOI10.11420/jsat.68.260

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Summary:研究ではナノダイヤモンド(ND)をプレス成型したペレットの作製とNDペレットを用いた電子ビ-ム蒸着による炭素膜の作製について検討した.NDペレットは荷重の増加に伴い灰色から黒色へと色彩が変化し,300℃で成形することで蒸着源として使用した場合のガス放出は減少した.NDペレットおよびグラファイトから作製した薄膜の摩擦係数は0.1程度であり,相手材摩耗量はNDが低い値を示した.また,薄膜のラマンスペクトルは蒸着源および基板温度によって変化し,ND蒸着源から作製した薄膜のGバンドの半値幅は158cm-1とグラファイトの152cm-1よりも広い値を示し,高硬度である可能性が示された.また,Gバンドの半値幅とGバンド位置の関係から,低基板温度かつ低蒸着速度ではsp3の割合が増加する可能性が示された.
ISSN:0914-2703
1880-7534
DOI:10.11420/jsat.68.260