院内特殊製剤に関する研究 (VII) 臨床ニーズに基づいた1%メチレンブルー注射液の添付情報の改訂
「はじめに」福島県立医科大学医学部附属病院薬剤部では院内特殊製剤の適正使用を推進するために, 医療用医薬品の適正使用のサイクル1)を参考にして院内特殊製剤適正使用サイクル2)を提唱している(Fig. 1). すなわち, 医療用医薬品の場合には医薬品の品質試験および情報提供等は製薬会社の責任であるが, 院内特殊製剤の場合は, これらすべてが製剤する薬剤部の責任であると考えられる. 院内特殊製剤適正使用サイクルの中では, 院内特殊製剤に関する正確な情報の収集, 評価, 加工および提供がきわめて重要となる. しかし, 院内特殊製剤は医療用医薬品と比較して著しく情報量が不足しているため, 当院ではこの...
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Published in | 病院薬学 Vol. 26; no. 4; pp. 454 - 466 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本医療薬学会
10.08.2000
日本病院薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0389-9098 2185-9477 |
DOI | 10.5649/jjphcs1975.26.454 |
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Summary: | 「はじめに」福島県立医科大学医学部附属病院薬剤部では院内特殊製剤の適正使用を推進するために, 医療用医薬品の適正使用のサイクル1)を参考にして院内特殊製剤適正使用サイクル2)を提唱している(Fig. 1). すなわち, 医療用医薬品の場合には医薬品の品質試験および情報提供等は製薬会社の責任であるが, 院内特殊製剤の場合は, これらすべてが製剤する薬剤部の責任であると考えられる. 院内特殊製剤適正使用サイクルの中では, 院内特殊製剤に関する正確な情報の収集, 評価, 加工および提供がきわめて重要となる. しかし, 院内特殊製剤は医療用医薬品と比較して著しく情報量が不足しているため, 当院ではこの一連の院内特殊製剤適正使用サイクルが十分機能しているとはいい難い状況にあった. このためわれわれは, 医療用医薬品添付文書に相当する情報提供として, 1996年から院内特殊製剤添付文書(添付情報)の作成を開始し, 「院内特殊製剤添付文書集(添付情報集)第一版」として製本し, 各診療科に配布した3, 4). 現在は, 「添付情報集第二版」(当院の院内特殊製剤35品目中20品目の添付情報を収載)を作成, 配布している. 作成した院内特殊製剤の添付情報を医師に対するアンケート調査により評価した際, 添付情報に不足している情報の一つとして「院内特殊製剤の安定性」が指摘された5). 院内特殊製剤の安定性に関しては, われわれは前報で院内特殊製剤1%メチレンブルー(MB)注射液に関して報告している6). |
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ISSN: | 0389-9098 2185-9477 |
DOI: | 10.5649/jjphcs1975.26.454 |